ダブリンの鐘つきカビ人間  PARCO劇場 他


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デザインするのは衣裳だけでは無く、ほとんど、人物、キャラクターそのものです。

きっと、カビ人間は、病気になる前の、格好良かった服装をそのまま着続けている。

きっと、おさえは、村娘風でありながらも、手先が器用で服の装飾など、お裁縫まで自分で出来る女の子。

など、それぞれのデザイン画を描きながら、役者その人と、その役を重ね合わせ、イメージをふくらませながら、

デザイン画に人物設定を、盛り込んでいきました。

 


カビ人間

この作品で、やはり一番悩んだのは、佐藤隆太くん扮する、カビ人間の表現です。

 

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既存の生地では表現不可能だと判断し、生地を加工し作るところから始めました。
こういった生地制作からとりかかり、最終的にカビの加工を施しました。

生地サンプルは私が制作し、それを基に衣裳制作部が進めていきます。
カビ人間


ストーリーと共に、殺陣も素晴らしいこの作品。

 

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小西遼生くんには、暑い思いをさせてしまいましたが、重厚感と勇ましさを出す為、あのようなスタイルになりまして、少しだけ申し訳ないなと思っております。

お気づきになられた方はいないと思いますが…..戦士の鎧には通気口がついていたりします。

 

この、紋章のような大き目なボタン。

ここに「通気口」があります。これが背中部分にもついています。

 

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やはり王様には病気に掛かる前の威厳がある装いでいてほしかったし

マギーさんは侍従長らしく規律ある感じでいて欲しいという想いから、このようなデザインになりました。

マギーさんの帽子の羽根の裏には、ピアノ線を這わせて羽根を立たせています。


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市長、吉野圭吾さんの衣裳は帽子やブーツに到るまで御本人とも細かく相談させて頂き、デザイン画では白かった袖口、衿元など全身を黒で統一し、今のダークさを出すことが出来ました。

演者からのフィードバックを貰うことによって、紙の上で一度完成したデザイン案は、生きたデザインへと昇華します。


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おさえ(村の少女)

呪いで、思った事と反対の事を言ってしまう病にかかった少女。

単に時代考証された、可愛い西洋のドレスではなく、ファンタジーの世界らしく、呪われた様を表現するため、濃い赤にレースを染め、血を表現したり、カビ人間同様に生地の加工を施しました。

 

おさえ

 

カビ人間と、おさえが可愛らしく映るほど、ふたりの可愛そうな境遇を伝えられると思いました。

 

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ダブリンの鐘つきカビ人間2015年版は私も感動するほどに、お客様からも、出演者からも、

衣裳に対してのお褒めの言葉やメッセージを沢山頂きました。

これほどまでに衣裳に着目してくださり、本当にありがとうございます。

しかしながら、当然私ひとりのチカラでは具現化することは不可能です。

質の高いものづくりの裏には、表に出ることのない、人の知恵と時間と労力が支えているという事を、時々で良いので、思いだして頂きたいのです。

 

 

御覧頂いた、お客様、共に作品を作れた出演者、及び、

制作、プロデューサー、他セクションスタッフ皆様。

素晴らしい作品に出会えた事、心から感謝いたします。

 

Costume Design  KITASAKO HIDEAKI